全国的な研修会の第二弾が今年は7、8月に分けて、それぞれ2日間開催された。今回は中野淀水先生と古澤史水先生から、基準弾法譜集をベースに弾法の基礎をしっかり教えていただくという内容だった。基準弾法譜集の意義に始まり、琵琶や撥の正しい持ち方を改めて学び、「月下の陣」と「城山」を使って弾法を丁寧におさらいした。
弾法で、撥は糸に垂直に当てるとよく注意されるが、その理由がようやく分かった。琵琶の構造によって、糸を横にはじくよりも、縦に震わせる方が良い音が出る。そう説明を聞けばあたり前と思うのだが、知っていて弾くのと知らずに弾くのでは大違いだ。
撥の持ち方も再確認を私は最初に教わっていたのに、いつの間にか変な持ち方になっていた。撥をどのように持てばバランスが良くなるのか、正しい音を引き出せるのか、理論的に理解する、「こうするとよい」と知って撥の変な持ち方を矯正すると、ただ単に「直さなくては」と思うのに比べ、見につき方がまったく違う。
基礎の弾法を身につける稽古として今回取り組んだのは、「月下の陣」と「城山」の合奏だった。なぜ?と思っていたが、練習を進めるうちに納得。1人で練習していると、苦手なところは誤魔化したり、省略したりしてしまう。しかし、皆で音や"間"を合わせないといけないと思うと、基礎に従って弾かなくてはという意識が生まれ、自分に甘やかしている部分を直そうと必死になる。結果、自宅で一人練習するよりも、ずっと集中できた。
ほぼ丸1日、琵琶のことだけに集中できた、2日間。絶対に上達した!と思える有意義な時間でした。