このたび中伝を拝領し、板倉穣水先生の穣と私の名前幸生から幸穣というお名前をいただきました。ありがとうございます。現在は先生に「湖水乗切」を教えていただいています。幸穣という名に恥じぬように向上心を持って練習したいと思います。
合唱を40数年続けているので、琵琶歌としては不自然な歌い方や発声がなかなか抜けずに、先生を困らせています。
技量が伴わないのに理屈っぽい話になり申し訳ないのですが、最近少しだけわかりかけてきたのは、西洋のいわゆるベルカント発生の方が巨大な響きを生み出し、広い音域を歌い切るために、自然体を加工して歌う場面が多いように感じてきました。琵琶歌の方がより日本語を自然体で歌えるのではないか?と。でも実のところはよくわかっていないので、あれこれと知ったかぶりの御託を並べていないで、練習に励む方が本当は先決です。
実は、今私は非常勤講師として小学校で3年生から6年生までの子供たちに音楽を教えております。現在小学校の音楽の教科書では5年生に箏が登場し、親しむことが奨励されています。しかし、琵琶は雅楽の楽器として画像が小さく現れる程度で、琵琶の美しい音色に触れる機会がありません。これは誠に残念なことです。
明治以降、伊沢修二による唱歌集編纂以来、ほとんど西洋音楽一辺倒の音楽教育ですが、我が国の音楽を学習するわずかな時間の中にぜひ琵琶楽に触れる場があるとよいと思っています。
西洋で吟遊詩人が十字軍の物語を歌っていた頃、日本では琵琶法師が平家物語を語り人々に聞かせていたのです。この素晴らしい歴史と伝統をもつ琵琶楽に出会えて、本当に幸せいっぱい、まさに幸穣です。
甚だ未熟者ではありますが、今後ともによろしくお導きいただくようお願いいたします。